先日ケンコー・トキナーのアウトレットに行ったときに2階のショールームにちょっと気になる双眼鏡がありました。Artos 8x42Wという双眼鏡です。
8倍42mmのポロプリズムで実売価格が\10,000前後のまぁ何の変哲もない安売り双眼鏡です。今はペンタックスの 7x50PCFという双眼鏡を使っているのですが、もうちょっと軽くて小さいのないかなー、見掛視界がもうちょっと広いのが良いなーなどと以前から思っていて、このケンコー・トキナーのアウトレットに行ったのも、ultraVIEW 8×30 WPが安く出ていたら買いたいな、という目的もありました。
正直自分は双眼鏡にはあまりこだわりはなく、そりゃ視野の端までシャープな方が良いし視野は広い方がいいし小さく軽いのが良いですが、そのために何万円も払う気にはならず、1万円以下でそこそこのがあれば買い替えても良いかもと思っていました。
8x40くらいのスペックだと、例えばSvbonyが安いダハプリズムのをたくさん出していますね。実は以前にSvbony SV47という8x42の双眼鏡を買ったことがあるのですが、ブラック・アウトしやすくて非常に覗きづらく、かつ微妙に左右で光軸がずれているっぽくて、しばらく覗いていると頭痛と吐き気がするという最悪の商品だったのですぐに処分してしまったことがあります。これ以降Svbonyの商品は信用していません。やっぱり買うなら安くても海外製でも国内メーカーが品質管理している商品だなーと思っています。
8x40くらいのスペックで実売1万以下だと、ペンタックスやオリンパスも出していますが、今回ケンコーのArtosで気に入ったのが、旧JISで65°以上の見掛視界があるにも関わらず、アイポイントが17mmもあること。自分の眼は乱視が入っていてメガネなしだと星像が伸びてしまうので、アイポイントが非常に重要です。ペンタやオリンパスのはアイポイントが12-13mmくらいしかないので、メガネで覗くのは無理です。
で、帰って色々見てみると、メルカリで未使用品が出ていたのでゲットしました。届いたのがこちら。

ペンタの7x50との比較。一回り小さいです。このペンタの7x50、就職して上京して、初めての秋葉原でパソコンパーツに興奮した後今はなきアトムで買ったものです。アトムで安売りしていたのを見て、初任給が出た直後だったので買って帰った思い出の品です。

重さはストラップ付きでペンタが930gに対しケンコーは825g。余っていたニコンの幅広ストラップとレンズキャップがついているので、ちょっとハンデがあります。100gほど軽いですが、見た目が小さいので持った感じはあまり軽く感じません。

外観はひたすら安っぽい(笑)。表面はゴム風塗装で滑りにくなっているのは良いですが、数年経ったら加水分解してベタベタになっていそうです。作りも接合部分が段になっていたりとか線が入っていたりとか、とても雑です。この作りだけでいうと先のSvbonyのSV47のほうが何段も上です。

見口の高さの調整はリングをひねるタイプ。途中にクリックはないので全出しか全部縮めるかの2択です。自分はメガネを掛けるので常に引っ込めて使います。ペンタの双眼鏡を買い替えたかった理由の一つがこれです。ペンタの見口はゴムを折り曲げるタイプで、冬とか寒くなるとゴムが固くなって折り曲げるのが一苦労になります。折り曲げた状態だとキャップがはまらないので、使用後はゴムを戻す必要があり、些細な事ですが使うのが面倒に思っていました。

続いてレンズのコートを見てみます。左がケンコーで右がペンタ。どちらも1面だけがマルチコートで、ペンタのほうが若干コートが良いのか反射は暗いです。

次接眼。こっちはずいぶん違います。ケンコーの方はかなり反射が明るく、後ろに街灯とかあると見づらくなりそうです。まぁ\1万ですからね。

使ってみると、やはり見掛視界65°は広いです。ペンタの50°と比べると広大で見ていて気持ちいい(^^)。アイポイント17mmだと、メガネを掛けてみるとギリもうちょっとで視野の端が見える、という状態です。見やすさという意味ではもう1-2mmアイポイントがほしいところですが、まぁ及第点。見掛視界が広い分眼を振ったときにペンタよりブラックアウトし易いですが、SV47に比べると遥かにマシ。光軸のズレも感じられず、やはり腐っても安くても日本メーカーだなーと実感します。
実際の像ですが、ここのところずっと天気が悪く星が見えないので外の灯りを見てみます。中央付近と視野の端に灯りを入れて、スマホで撮影。スマホはPIxel3aで、焦点距離4.4mm F1.8なので、瞳径は2.5mm。昼間の瞳孔径と同じくらいなので、夜見るのに比べると収差は良い方に撮れているはずです。


拡大したのがこちら。上が中央、下が周辺です。円周方向の収差が大きいようですね。カメラのレンズの収差も乗っているので一概には言えませんが、眼で覗いたときの印象とは一致しています。まぁ\1万の双眼鏡としては十分ではないでしょうか。

耐久性はわかりませんが、一応IPX7の防水仕様になっているので夜露とかにさらしても安心です。かなりコスパは高いように感じます。
追記:
メガネで覗くとなんか視野絞りが見えていないように見えるので、自分のアイポイントがちょっと遠いのかも、と思って計算してみました。
まず接眼レンズの径を測ってみると約20mmでした。

実視界が8.2°、倍率8倍なので、正しい見掛視界はatan(tan(8.2/2)*8)*2 = 59.7°、射出瞳は42/8=5.25mm、アイポイント17mmなので、それぞれの関係はこんなふうになります。

アイポイントから見た視野絞りは半径9.76mm。接眼レンズの半径が10mmなので、ギリギリ視野絞りは見える計算になります。ただ射出瞳が半径2.63mmありますので、視野絞りの位置では光束の半分は蹴られています。
自分の見え方だと明らかに視野絞りが見えていないので、自分のアイポイントは17mmより更に遠いところにありそうです。こちらのサイトでは、メガネを掛けるときはアイポイントは14mm以上必要15mm以上あればなおよし、と説明されていますが、自分には17mmでもちょっと足らないみたいです。
8倍42mmのポロプリズムで実売価格が\10,000前後のまぁ何の変哲もない安売り双眼鏡です。今はペンタックスの 7x50PCFという双眼鏡を使っているのですが、もうちょっと軽くて小さいのないかなー、見掛視界がもうちょっと広いのが良いなーなどと以前から思っていて、このケンコー・トキナーのアウトレットに行ったのも、ultraVIEW 8×30 WPが安く出ていたら買いたいな、という目的もありました。
正直自分は双眼鏡にはあまりこだわりはなく、そりゃ視野の端までシャープな方が良いし視野は広い方がいいし小さく軽いのが良いですが、そのために何万円も払う気にはならず、1万円以下でそこそこのがあれば買い替えても良いかもと思っていました。
8x40くらいのスペックだと、例えばSvbonyが安いダハプリズムのをたくさん出していますね。実は以前にSvbony SV47という8x42の双眼鏡を買ったことがあるのですが、ブラック・アウトしやすくて非常に覗きづらく、かつ微妙に左右で光軸がずれているっぽくて、しばらく覗いていると頭痛と吐き気がするという最悪の商品だったのですぐに処分してしまったことがあります。これ以降Svbonyの商品は信用していません。やっぱり買うなら安くても海外製でも国内メーカーが品質管理している商品だなーと思っています。
8x40くらいのスペックで実売1万以下だと、ペンタックスやオリンパスも出していますが、今回ケンコーのArtosで気に入ったのが、旧JISで65°以上の見掛視界があるにも関わらず、アイポイントが17mmもあること。自分の眼は乱視が入っていてメガネなしだと星像が伸びてしまうので、アイポイントが非常に重要です。ペンタやオリンパスのはアイポイントが12-13mmくらいしかないので、メガネで覗くのは無理です。
で、帰って色々見てみると、メルカリで未使用品が出ていたのでゲットしました。届いたのがこちら。

ペンタの7x50との比較。一回り小さいです。このペンタの7x50、就職して上京して、初めての秋葉原でパソコンパーツに興奮した後今はなきアトムで買ったものです。アトムで安売りしていたのを見て、初任給が出た直後だったので買って帰った思い出の品です。

重さはストラップ付きでペンタが930gに対しケンコーは825g。余っていたニコンの幅広ストラップとレンズキャップがついているので、ちょっとハンデがあります。100gほど軽いですが、見た目が小さいので持った感じはあまり軽く感じません。

外観はひたすら安っぽい(笑)。表面はゴム風塗装で滑りにくなっているのは良いですが、数年経ったら加水分解してベタベタになっていそうです。作りも接合部分が段になっていたりとか線が入っていたりとか、とても雑です。この作りだけでいうと先のSvbonyのSV47のほうが何段も上です。

見口の高さの調整はリングをひねるタイプ。途中にクリックはないので全出しか全部縮めるかの2択です。自分はメガネを掛けるので常に引っ込めて使います。ペンタの双眼鏡を買い替えたかった理由の一つがこれです。ペンタの見口はゴムを折り曲げるタイプで、冬とか寒くなるとゴムが固くなって折り曲げるのが一苦労になります。折り曲げた状態だとキャップがはまらないので、使用後はゴムを戻す必要があり、些細な事ですが使うのが面倒に思っていました。

続いてレンズのコートを見てみます。左がケンコーで右がペンタ。どちらも1面だけがマルチコートで、ペンタのほうが若干コートが良いのか反射は暗いです。

次接眼。こっちはずいぶん違います。ケンコーの方はかなり反射が明るく、後ろに街灯とかあると見づらくなりそうです。まぁ\1万ですからね。

使ってみると、やはり見掛視界65°は広いです。ペンタの50°と比べると広大で見ていて気持ちいい(^^)。アイポイント17mmだと、メガネを掛けてみると
実際の像ですが、ここのところずっと天気が悪く星が見えないので外の灯りを見てみます。中央付近と視野の端に灯りを入れて、スマホで撮影。スマホはPIxel3aで、焦点距離4.4mm F1.8なので、瞳径は2.5mm。昼間の瞳孔径と同じくらいなので、夜見るのに比べると収差は良い方に撮れているはずです。


拡大したのがこちら。上が中央、下が周辺です。円周方向の収差が大きいようですね。カメラのレンズの収差も乗っているので一概には言えませんが、眼で覗いたときの印象とは一致しています。まぁ\1万の双眼鏡としては十分ではないでしょうか。

耐久性はわかりませんが、一応IPX7の防水仕様になっているので夜露とかにさらしても安心です。かなりコスパは高いように感じます。
追記:
メガネで覗くとなんか視野絞りが見えていないように見えるので、自分のアイポイントがちょっと遠いのかも、と思って計算してみました。
まず接眼レンズの径を測ってみると約20mmでした。

実視界が8.2°、倍率8倍なので、正しい見掛視界はatan(tan(8.2/2)*8)*2 = 59.7°、射出瞳は42/8=5.25mm、アイポイント17mmなので、それぞれの関係はこんなふうになります。

アイポイントから見た視野絞りは半径9.76mm。接眼レンズの半径が10mmなので、ギリギリ視野絞りは見える計算になります。ただ射出瞳が半径2.63mmありますので、視野絞りの位置では光束の半分は蹴られています。
自分の見え方だと明らかに視野絞りが見えていないので、自分のアイポイントは17mmより更に遠いところにありそうです。こちらのサイトでは、メガネを掛けるときはアイポイントは14mm以上必要15mm以上あればなおよし、と説明されていますが、自分には17mmでもちょっと足らないみたいです。
コメント
コメント一覧 (2)
クリアで明るい視界だったかと記憶していますよ。
ケンコーのポロは総じてそんな印象を持ってますね。
ビクセンのフォレスタは黄色味がかった暖色系だったので、ずいぶん機種によって違うんだなと驚いたように思います。
上を見たらキリがないのはどの世界でも同じですね。
自分も実用できる価格帯でなるべく良いものを探すようにしています。
双眼鏡で気軽に手が届きそうな価格帯の機種は、さらまにさんが精力的にレビュー動画をあげてらっしゃいます。
メガネ使用時や近視での裸眼使用などにも触れていますので、もし増設される際には気になった機種のレビューがあるか検索されるのもよいかと思います。
アートスの同じ機種のレビューもありますよ。
nekomeshi312
が
しました