毎年愛知県東栄町で開催されているDeep Star Party(DSP)に初めて参加しました。この運営委員のヒロノさんいわく、「大人の文化祭」だそうで、各出席者が持ち込んだ、各自工夫した望遠鏡をみんなで楽しむイベント。口径66cmの巨大ドブソニアンやら、口径20cmの双眼望遠鏡やら、普通は出会わない望遠鏡がズラリ。

昼間は各自の望遠鏡の紹介、夜はそれを使った観望会。それと並行して、運営の方や参加者が主催するワークショップが主なイベントです。

並んでいた望遠鏡は例えばこんなの。
これはきたかるさんの20cm F10ニュートン。ミラーはご自身が磨かれたもの。鏡筒の端やバンドを固定しているリングは食べ物を蒸すための蒸籠だそう。見た目に反して非常に軽く、重さ10kg程度。自分も持たせてもらいましたが、見た目が大きい分更に軽く感じて今います。
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こちらはヒロノさんの66cm。そもそもこんなに大きい望遠鏡は取り扱うだけでも大変で、持ち主を転々とするうちに格安で手に入れられたのだとか(笑)。
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極めつけはこれ。眠り猫さんの30cm F10 フローライト。もはや大砲にしか見ません。架台は昭和機械の赤道儀を経緯台にしたもの。これを車1台に積んで持ち運ぶのだからすごい。設営・撤収にそれぞれ6時間位かかるそう。
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コートは特徴的なピンク色。これはどこのコートなのでしょう??

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こちらはイチローさんの20cm双眼望遠鏡。バッテリーをバランスウェイト代わりにしています。全体としては重いですが、バラすと各ユニットは8kg以下になっているとのこと。
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他にも太陽望遠鏡やらシュミカセやら多数。とても書ききれません。夜はこれらをじっくり鑑賞したかったのですが、ほとんど曇っていてたまーに一等星が見えるという天気。
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初参加ということで、自分は名刺代わりにIgScopeを持っていきましたが、なかなか使う機会なし。
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一回きれいに晴れた瞬間があったので、GWに実装した3 star alignmentのテストだけやることができました。テストはとりあえず問題なし。これで導入精度を上げることができました。が、これをやっていたせいで他の望遠鏡を見る時間なし。あー、もったいない。
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でも天気が悪いおかげ(?)で、並行して行われていたワークショップに参加できました。参加したのはフーコーテストとロンキースクリーンでのミラー/レンズの評価。

こちらはきたかるさんがやられたロンキーテスト。この望遠鏡(なんてやつだっけ?すっごく見えるらしい)のロンキーはまっすぐ。これはよく見えるはずです。
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自分はすぷーんさん主催のフーコーテストで、KenkoのSky Exproler SE-AT100Nをテストしてもらいました。
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このSE-AT100Nはミラーが放物面という説と球面という説があって、自分のはどちらか明らかにするのが目的です。
結果は・・・

球面でした orz... 

ただすぷーんさんは同じ機種を外でも評価したことがあって、そちらは放物面とのこと。ロットとか世代とかで球面だったり放物面だったりするのでしょうか。

でもまぁわかってスッキリ。

夜中になっても晴れないので、0時を過ぎて突如始まったすぷーんさん主題のミラーの研磨教室。15cmのミラーを粗擦りで球面にします。研磨剤と水を適宜追加しながら、ミラーを回転させながら研磨すると、自然に球面になるとのこと。
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この様子は突如ライブ配信されました。何度もミラーを磨かれている、きたかるさん、ヒロノさんが先生です。


ミラーを自分で研磨するなんて、子供の頃に本で読んだりはしましたが、実際にやっているのを見るのは初めて。自分でもちょっと削ってみましたが、粗ズリは比較的早く進みます。今回の数時間でF7相当まで削れていたそうです。が、ここから研磨剤を細かくして行って、最後に放物面にするのは大変そう・・

というわけで今回のDSPのイベントはこれで終了。
それにしても、巨大なドブソニアンを自分で作ったりとか、ミラーを磨いたりとか、自分で工夫してものを作る濃い方とお知り合いになれたのが最大の収穫です。これは来年も参加せねば。

帰りは3Dプリンタネタで盛り上がったyagiさんから教えていただいた、月まで3kmの標識を見て帰ってきました。有名なところらしく、ライダーの方もこれを見に来ていました。
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場所はここ。Google Mapで「月まで3kmの青看板」で検索すると出てきます。