上野の国立科学博物館で、はやぶさ２とOSIRIS-RExが持って帰ってきた小惑星のサンプルが展示されていて、それが今日まで、ということで見に行ってきました。




入るといつものフーコーの振り子。東京の緯度だと約41時間で一周します。


はやぶさ２のサンプルの展示は地球館の２階。


展示の入口にはホワイトボードに書かれた予定表の写真が展示されていました。TCMは軌道修正の予定で、6/13にGood Luck!と書かれているのは、はやぶさ１号機が地球に戻ってくる日です。


となりにはその当日のホワイトボードがありました。送信したコマンドなどが分単位でびっしり書き込まれています。で、最後は運用終了。


はやぶさ初号機はトラブルの末に満身創痍で戻ってきましたが、はやぶさ２は大きなトラブルもなく戻ってきて、サンプルを投下したあと次の探査に行ってしまいました。はやぶさ２のサンプル投下の日の予定も見てみたかったですね。

さて、こちらはリュウグウから持ち帰ってきたサンプル。重さは2.9mg。はやぶさのときは顕微鏡で見ないとわからない小さな粒でしたが、こちらはちゃんとした「石」です。


写真を撮ってみようとしましたが、小さくて写りませんでしたf^^;


持ち帰ったサンプルはこんなケースの中で行われます。中は窒素が充填されていて、大気に汚染されないようになっています。


こちらはOSIRIS-RExが持って帰ってきたベヌーの石。1.49mg。


サンプルを調べてみると、リュウグウとベヌーは成分が近いようで、同じタイプの小惑星らしい、です。が、地球に落下してくる隕石としてはかなりレア、とのことで、そんなレアな小惑星２つに偶然行き当たったのは、地球に落下する隕石は太陽系に存在する小惑星の分布から偏っているっぽいとのこと。こんなこともわかるんですね。



それにしてもOSIRIS-RExが持って帰ってきたサンプルの量は半端ないですね。

こちらはイトカワ、リュウグウ、ベヌーの大きさ比較。スカイツリー１個分です。こんな小さなリュウグウでは重力は0.15mm/s^2 (地球は9.8m/s^2)。脱出速度は37cm/s (地球は11.2km/s)くらい。なんかあったらすぐに飛ばされてしまいます。しかも形が球ではないですから場所によって大きく重力が変わります。これで着陸させるんですからすごいですね。


さて、せっかく来たので、地下にある実験装置も見てきます。こちらは2005年までこの科博の屋上にあったニコンの20cmの望遠鏡。焦点距離は3.6m。これってニコンミュージアムで展示されているのと同じかな？


駆動するギアがメカメカしくていいですね。このギアの回転が左に写っている軸の回転として赤道儀に伝わって、ウォームギアで駆動されます。


こちらは放射線を見る霧箱。そこらじゅうで飛びまくっています。トリウムレンズとか持ってきていたら面白かったかも。


飛んできた放射線の種類をAIで自動認識するデモも展示されていました。電子とアルファ粒子を認識できて、ミューオンはまだ苦手で現在学習中とのこと。


キャベンディッシュのねじりばかりが展示されていました。万有引力を測る装置です。


ぶら下がった２つのオモリになにかものを近づけると、お互いの引力でおもりの位置が変わるのを測るのですが、なんか他の要因のほうがずっと大きそうな・・・



こちらは熱のエネルギーを測る装置。右にあるぶら下がったおもりが落ちる力で水を撹拌して、水の温度上昇を測ります。重りの位置エネルギーが、水が得て温度が上昇したエネルギーになります。子供の頃理科で習ったなぁ。



あとはフィゾーの光速を測定する装置とかもありましたが、写真を撮り忘れましたf^^; ここの装置では巻いた長いファイバーを通して光速を測定していましたが、以前NHKが大科学実験で、実際に遠くの島に置いたミラーを使って実験していました。こちらで見られますのでご興味があれば。



他にも見るものはたくさんありますが、今日はここまでで帰ってきました。帰るときに入口にあったフーコーの振り子はコレだけ動いていました。ちゃんと地球は回っているんですね（当たり前）。