先日solve-fieldの論文を読んで中で何をやっているのか把握したところですが、今作っている電子極軸望遠鏡が使い物になるのか試したところ面白い結果だったのでメモ。

電子極軸望遠鏡に使っているカメラは、センサがAptinaのAR0330、露光時間は最長0.5秒。レンズは50mm F1.4。先日太郎坊に行ったときに実際に北極星の回りを何枚か撮影してきました。

以下の3枚は撮影条件は同じ。露光時間0.5秒、Gain MAX、絞り開放で3回撮影したもの。中央の明るい星が北極星です。FITSでファイルを保存して後日solve-fieldでplate solveをかけたときに出力された画像で、赤い丸が星の候補として検出されたもの。三枚ともdownsample を2にして、370個前後の星が検出されていますが、正直、こんなにノイズだらけでちゃんと座標計算できるんかいな、というほどの汚い画像。
(1)
Capture_00001-objs
(2)
Capture_00002-objs
(3)
Capture_00003-objs


ちなみに(1)のFITSを単純にPNGにしてみたのがこちら。逆にたったこんだけの星でちゃんと座標計算できるんかいな?というほどの星の少なさです。
ds9


結果は、

(1)成功(時々失敗)
Capture_00001-indx

(2)失敗

(3)成功
Capture_00003-indx

となりました。(1)と(3)の緑の三角がマッチングに使用した星でしょうかね。また三角でない緑の丸は、index側の星でしょうか。論文では位置合わせするための星は4つだったはずですが、はてさて?

(1)は同じパラメータを与えて計算させても答えを出してくれないことがありました。(3)は試した限りでは100%答えを出してくれます。同じデータに対して実施するたびに結果が違うというのは、例えば星の選び方とか、なにかランダム性を持った処理が入っているのかもしれません。(2)はパラメータを色々変えてもだめでした。

計算が成功したときはいずれも正しい座標を出力していました。
Screenshot_2021-07-28_16-50-54


人間の目にはどれもノイズだらけの画像にしか見えませんが、それでも計算結果を出してくれることにちょっとびっくり。対ノイズについてはここらへんが限界なのかもしれません。
カメラが古くてホットピクセルが大量にあるので、ダーク引かないと駄目かな、とも思いましたが、それよりスタックなどしてノイズを減らしてあげるほうが効果的かもしれません。